The previous night of the world revolution~P.D.~
「私はルレイアさん達の裏切りに気づきませんでした。あなた方の策略に気づきませんでした。…もしかしたら私は騙されているのかもしれない、とは思っていたんです」

そうなんですか。

セルテリシアも、あながち馬鹿ではなかったということなのかもしれない。

でも、その裏切りをいち早く見抜けなかったのは、あなたの落ち度ですね。

「それは結果論だよ」

「分かっています。疑っていたのに、でもそれ以上にルレイアさん達を信じたかった。そんな私の甘さに…足をすくわれたんです」

…。

…なんか、俺凄く悪者みたいになってません?

俺は悪くないですよ。騙されたセルテリシアが悪いだけで。

「部下の邪心にさえ気づけないようでは、私はとても…。…いえ、本当は初めから…分かっていたんです。私はリーダーの器ではないと」

「…」

自分のこと、よく分かってるじゃないですか。

もっと早く己の分を弁えて、大人しくしておいて欲しかったな。

「確かに私はサナリ・リバニーの血縁者です。でも、私にあるのはそれだけです。例え貧民街の生まれでも…あなたには上に立つ者の才能があり、私にはない」

「…」

「私の大叔父は、血の繋がった私ではなく…きっと、真に『青薔薇連合会』を率いるに相応しい器を持った者に、組織を導いて欲しいと思っているはずです」

「…だから?」

「…だから…」 

セルテリシアは一瞬俯き、そして決意を固めた眼差しで、アイズを真っ直ぐに見つめ…。



「私は、『青薔薇連合会』次期首領候補から辞退します。首領の座は、あなたが継いでください」

アイズに向かって、頭を下げた。

…へぇ。


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