The previous night of the world revolution~P.D.~
こちらは、『青薔薇連合会』本部にある会議室。

いつも幹部会議を行っている部屋ですね。

そこにアシュトーリアさんと、幹部全員が揃ってテーブルを囲んでいる。

テーブルの上には、上等なワインと、茶菓子と、ポテトチップス。

いやぁ、やっと「戻ってきた」って感じですね。

思い出す。『ブルーローズ・ユニオン』の、あのピリピリした雰囲気の幹部会議。

あれに比べたら、ここは天国ですよ。

「ふふふ。また皆が戻ってきてくれて良かったわ」

これにはアシュトーリアさんも、満面笑みでワイングラスを傾けている。

「アシュトーリアさん。病み上がりの身で、昼間から深酒は駄目ですよ」

「あら、今日くらい良いじゃない、アイズ」

「駄目です。またアシュトーリアさんに何かあったらどうするんです?」

アイズも、ルルシー張りの心配性ですね。

まぁ、あんなことがあった後ですから。

アシュトーリアさんに関することとなると、少々過敏になってしまうのだろう。

気持ちが分からないこともないが…。

「大丈夫よ。私の身に何かあっても、アイズがいてくれるわ」

と、アシュトーリアさん。

「アイズだけじゃない。ここにいる幹部の皆がいてくれるもの。『青薔薇連合会』は安泰よ。今回の件で、それがよく分かったわ」

そう言ってくれるのは嬉しいですね。

「…全く。だからって、私はまだアシュトーリアさんの代わりになりたくないですよ」

呆れたようにアイズが言った。

「まだまだ、私は『青薔薇連合会』首領の座につくには、足りないものがたくさんあります」

そうですかねぇ?

アイズは自分に厳しいですね。

あのセルテリシアに比べたら、遥かに首領の器だと思いますけど。

「それに、アシュトーリアさんに何かあったら…私も、シュノも、皆も悲しむんですからね」

そうですね。

シュノさんなんか、その通りとばかりにぶんぶん首を振って頷いていた。

「アシュトーリアさんには、まだまだこれからも元気でいてもらわないと困りますよ。…分かりました?」

「ふふ…。そうね、分かったわ」 

アシュトーリアさんはそう言って、にこりと微笑んだ。

そうだな。

アイズ率いる『青薔薇連合会』…というのも悪くないですけど。

それはまだまだ先のことにして欲しい。

今はまだ、アシュトーリアさん率いる『青薔薇連合会』にいたいですね。

アシュトーリアさんが戻ってきてくれて。

そして俺達も無事に『青薔薇連合会』に戻ってこられて、本当に良かった。
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