The previous night of the world revolution~P.D.~
「海水浴か…。また行きたいけど…」 

「この時期じゃ…ちょっともう、寒いね」

ですね。

夏真っ盛りは終わったんですよ。

季節は既に秋に突入し、何なら冬に片足を突っ込みかけている。

紅葉のシーズンが近づいてますね。

海水浴は…また来年かな。

「海水浴の埋め合わせ、何かしようか。何して遊びたい?アリューシャ」

「いや、遊ぶなよ。俺達帰ってきたばかりなんだし、仕事が溜まって…」

「アリューシャあれやりてぇ!かぼちゃぶん投げる奴!」

「話を聞けよ」

まぁまぁルルシー。

良いじゃないですか。折角帰ってきたんだから、自由な空気を満喫しましょうよ。

『ブルーローズ・ユニオン』では、あちこち監視されているし、エペルとミミニアには睨まれるしで。

いかなるときも、一息つくことさえ出来なかったんだから。

…で。

かぼちゃをぶん投げる奴、とは一体。

「かぼちゃ?」

「うん。かぼちゃぶん投げる祭りがあるんだろ?秋って」

アリューシャの故郷では、随分物騒な…。

と言うか、随分罰当たりな祭りが開かれていたんですね。

食べ物をぶん投げてはいけまけん。

「…何意味分かんねぇこと言ってんだ?この馬鹿…」

ルルシードン引き。

「何だとコラ。ルル公使らねぇのか?ほら、物乞いみたいに色んな家を巡って食べ物もらって、食べ物くれた家にはかぼちゃぶん投げて、くれなかった家にもかぼちゃぶん投げるんだろ?アリューシャ知ってるぜ」 

いずれにしても、かぼちゃは投げるんですね。

しかし、そのヒントで何となく分かりましたよ。

「成程、アリューシャが言ってるのはハロウィンのことだね?」

でしょうね。

かぼちゃ、物乞いというキーワードで分かった。

「そうそう、それそれ、ヘロウィン!」

「ハロウィンね、ハロウィン」

危ないお薬みたいになってましたね。

やっぱりハロウィンだったか。

まぁ、アリューシャの知るハロウィンは、俺の知るハロウィンとは違うもののようだったが。

と言うかアリューシャ、前ハロウィンパーティー参加してましたよね?

「かぼちゃぶん投げ合おうぜ!」

枕投げじゃないんですから。

アリューシャみたいな狙撃のプロに投げられたら、かぼちゃで頭が割れそうですよ。

「アホ抜かせ。そんな下らないことやってる場合か」

と、ルルシーは一喝。

考慮の余地もないといった風である。

しかし、『青薔薇連合会』の幹部組は、頭の固い『ブルーローズ・ユニオン』の幹部とは違う。
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