The previous night of the world revolution~P.D.~
――――――…その頃、帝国自警団本部では。




「…全く、実に不快だったな」

ルレイア・ティシェリー同様、私達も不快の極みにいた。

…当然だ。

「帝国騎士団や、他の非合法組織から巻き上げた金で、随分な贅沢をしているようだな」

と、アンブロは吐き捨てるように言った。

「それでいて、犯罪の証拠は何もなかった。隠蔽する時間はなかったと思うけど…」

「逃げ足だけは速いってことでしょ。立ち入り調査が入る前に、すぐに隠したのよ」

「…でしょうね」

ユナとシャニーがそう言った。

「あれが、『青薔薇連合会』…」

マリアーネがポツリと呟いた。

…本当ね。

私も今、ようやく自分達が敵に回そうとしている相手を見て、改めて事の重大さを再確認しているところだよ。

「望んでる証拠は見つけられなかったが、敵の姿を見られただけでも充分な進歩だと思おう」

セルニアが言った。

「…そうだね」

出来ることなら、『青薔薇連合会』の犯罪行為の証拠を掴み。

すぐにでも令状を出して、彼らを逮捕したいところだったけど…。

残念ながら、それはまだ出来ないようだ。

…まだ、ね。

いつかは、必ず彼らの手首に手錠を嵌めてみせる。

ルティス帝国の為。そして、帝国自警団の威光の為に。
< 86 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop