ひとりぼっちのさくらんぼ
第一章
第一話
西暦2000年を迎えた時。
不思議な気分だった。
世紀をまたぐ経験が出来るなんて。
2000年?
ミレニアムじゃん!
ってことは、二十一世紀?
近未来じゃん!
SF漫画の世界じゃん!
……そんなふうに興奮したけれど。
その興奮もお正月の間くらいで冷めた。
だって、普通に受験あるし。
学校行かなくちゃだし。
ドラマ観て。
漫画読んで。
寝なくちゃだし。
そんな感じで。
いつもと変わらず日常を送っていたら。
あっという間に二年経っていた。
2002年、平成14年。
あたし、上条 絵玲奈は県立A高校に通う二年生。
二年前の受験生の時とは違うのは。
念願だったハチミツみたいな金髪にしたこと。
マニキュアもラメたっぷりのショッキングピンク色。
制服のスカートはもちろんミニ丈。
最近は紺色のハイソックスが流行ってきているけれど。
でも、あたしはやっぱりルーズソックス派。
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