ひとりぼっちのさくらんぼ
お姉さんの小さな声が、部屋の中に響く。
「人生を終わらせようって、決めていたから」
あたしは寒気がした。
「う、嘘だよ。そんな、人生終わらせようって思っているなんて……」
「だって」
と、お姉さんは言った。
お箸をテーブルに置いて。
頭を低くして。
うなだれている。
「だって、私……、もう無理だよ」
「無理?何が?」
「生き続ける意味がわからない。生きていたって、ずっとひとりぼっちだし。誰も……」
お姉さんの涙声は、悲しい。
「……誰も、私の人生には関わってくれない……」
胸が。
潰れる音がした。
あぁ、そうなんだ。
あたし、耐えられなくなっていくんだ。
このままだと、孤独には勝てないんだ。
「……じゃあさ、お姉さん」
あたしはお姉さんの肩に触れた。
「お姉さんから関わっていこうよ」