ひとりぼっちのさくらんぼ

(……わかってくれるんだ、あたしの気持ち)



ちょっと感動する。

お姉さんは、
「あなた、切符にも多分触れられないから」
と言って、キョロキョロした。



ちょうど近くで駅員が、(ほうき)を持って掃除していたから、
「すみません」
と、お姉さんは声をかけた。



「どうしましたか?」



近くに寄ると、駅員は女性だった。



「切符が落ちてたんです、引き取ってもらいたいんですが」



お姉さんは買ったばかりの切符を、駅員に渡す。



「あ、わかりました。ありがとうございます」



駅員はにこやかに切符を受け取ってくれた。



「よし、J Kちゃん、電車に乗ろう」
と、お姉さんが小声で言う。



改札を通る時。

お姉さんはスマートフォンをかざした。



「なんでスマートフォンをかざして、ここを通れるの?」



あたしはお姉さんと一緒に改札を通りながら、尋ねた。



「スマホのケースにさ、ICカードも入れているからだよ」

「……何それ、便利」

「そうね、便利だよ」



お姉さんが笑った。

あたしも嬉しくなって笑顔になる。

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