ひとりぼっちのさくらんぼ

お姉さんはなんちゃってコーヒー牛乳を飲みつつ、リビングのローテーブルまで移動した。

スマートフォンを持ち、
「あ、市原くんからのメッセージだ」
と、嬉しそうな声を出す。



あたしは邪魔しないように、また窓の外を眺めていると、
「えっっっ!?」
と、お姉さんの大声に驚かされることになった。



「何!?」

「ど、どうしよう!?」

「何があったの!?」






「……市原くんに、誘われた!!ごはんに行こうって、誘われた!!」






「えっ!?すごいじゃん!!」
と、あたしも嬉しくなって、声がついつい大きくなる。



「ね、J Kちゃん、これって……、デ、デ、デー…………、おえっ!!」

「何!?大丈夫!?」



お姉さんは口元をおさえて、
「ダメ。緊張で吐き気が!」
と、その場にうずくまる。



「何言ってんの、お姉さん!!まだデートに誘われただけじゃん!!返事もしてないよ!!」

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