ひとりぼっちのさくらんぼ
「J Kちゃん、あなた、よく言えるよね。その単語……。デ、デート、とか!!」
「なんで?普通に言えるよ、これくらい」
お姉さんは顔を赤ながら、
「デートだよ!?デート!!甘酸っぱ過ぎて、もう私には無理だよ。言えない単語だよ!!なのに、それを実行出来ると思う!?」
と、わめいている。
(充分、言ってるじゃん。デートって)
お姉さんはスマートフォンを操作しつつ、
「ダメだ。ごはん、断る……」
なんて言い出すから、
「待って!よく考えて!!」
と、あたしはお姉さんの肩を揺さぶる。
「デートと思うからいけないんだよ。そう、そうだよ。市原さんは『デートしよう』とは言ってない!!」
「J Kちゃん……」
お姉さんがスマートフォンから顔をあげた。
「ごはん、行くだけ!ごはん食べながら、楽しくおしゃべりして来たらいいんだよ!!そこにお姉さんの恋心は関係ない!」