ひとりぼっちのさくらんぼ
そこには、たったひと言。
『行きます!』
「朝早くに送信しちゃったけれど、迷惑じゃないかな?」
お姉さんは不安そう。
スマートフォンを持つ手が、小刻みに震えている。
「いいんじゃない?次から気をつければ、大丈夫だよ」
あたしがそう言って笑顔を見せると、お姉さんも安心したように笑った。
「私、あなたが居てくれて良かった」
「え?何?急に……」
「あなたが私自身だってわかってるよ?だから、今だってひとりぼっちなのは変わらないのかもしれないけれど」
お姉さんの瞳が、キラッと輝いた気がした。
「あなたが居てくれるから、今は、今だけは。私、孤独じゃないんだね」
照れたのか、お姉さんは朝ごはんを作るためにキッチンへ帰って行った。
あたしはその背中を見て、思ったんだ。
(あたしが必ず、お姉さんを助ける)