ひとりぼっちのさくらんぼ
「え、えっ!?」
あたしは慌てる。
「待って、待って!?ギャルやめるの!?あたしが!?」
こんなに好きなのに!?
「そうよ、ほら見てよ。私がギャル系に見える?」
お姉さんが自分を指差す。
「……見えない。そんなに地味なギャルなんていない……」
「地味は余計だよ、J Kちゃん」
お姉さんがしかめっ面になる。
「ミニスカートも、細い眉毛も、その髪の毛の色も。そのうちにあなた、手放すんだから」
「えー、想像出来ない……」
「あなたのいる時代のあとね、清楚系が流行るから」
「……あぁ、今でも少しその波がきている気がする……。紺色のハイソックスとか、最近よく見るんだ」
お姉さんはうなずいて、
「ルーズソックスも、そろそろ卒業するんだよね」
と、あたしの足元に視線を移した。
「……変なのぉ。あたしのこの恰好は、永遠だと思ってたよ」