ひとりぼっちのさくらんぼ
お姉さんの素敵なところは。
あたしの素敵なところなんだ。
(今は自分を客観視してる感じだ)
自信がないところ。
本当は寂しがり屋なところ。
(一緒なんだ、良いところも悪いところも)
そう思うとあたしは。
胸の奥がじんわりした。
お姉さんを通して「大丈夫だよ」って、言われているみたい。
「あなたはこんなにも魅力的ですよ」って。
だったら。
少しくらい、自信を持ってもいいのかも、……ね?
夜。
一応、リビングのソファーに寝転ぶ。
感覚が無いからふわふわして、居心地は良くないけれど。
お姉さんはお風呂から上がって、キッチンで水を飲んでいる。
手にはスマートフォン。
(市原さんとメッセージのやり取り、続いているのかな?)
そう思って、勝手にほっこりした気持ちになっていたら。
「えっ」
と、お姉さんが低めの驚きの声を出した。