ひとりぼっちのさくらんぼ
(いいなぁ)
あたしは部屋の明かりを消して。
ベッドにもぐった。
(小説って、こんなに面白いんだ)
布団の中。
あたしの心はドキドキしている。
(あたしも、書いてみたい……)
そう思ったら、ドキドキした心がバクバクと激しく脈打つ。
(あたしにも小説が書けるかなぁ?)
ベッドから起きて。
明かりをつけた。
あたしのハチミツ色の髪の毛を見下ろす。
「まず、行動だよね?」
思い立ったらなんとかって言うじゃん。
初めて金髪に染めた日。
何にだってなれると思った。
それくらいに、強さを手に入れた気がした。
あたしの心は、自由そのものだった。
「書く……、うん。小説、書くから」
言葉に出すと、わくわくしてきた。
秋の夜。
ひとりぼっちで。
あたしは、光を見つけた気がしたんだ。