ひとりぼっちのさくらんぼ
お姉さんが準備しているところを、あたしは隣で眺めた。
変なの。
自分自身を見ているってわかっているのに。
なんとなく、お母さんを思い出す。
孤独で。
悲しそうだった、お姉さん。
人生を悲観していた。
宅配便で送られてくるのは、過去の自分から。
ずっと家にこもって、仕事して。
人と話すこともなかったお姉さん。
あの時。
人生を終わらせたいって言っていた。
あの日に届いた高級チョコレートも。
きっと人生の幕を下ろす前に、食べようと思っていたんだろうな。
今は、どう思っているんだろう?
市原さんとの恋が実って。
お姉さんの心境に変化はあったのかな?
(それがあたしの役目だと思っていた)
お姉さんを助けるってことは。
孤独から救うことだと思った。
だから。
市原さんと両想いになる必要があった。
でも。