ひとりぼっちのさくらんぼ

妄想して。

ノートに書いて。

いつか、それが現実になればいいなって。

そうなれるように頑張りたいって。

思っていたのに……。



(あたし、恥ずかしいよ……)







魂が抜けたみたいに。

ボーッと、駅に向かった。



駅前の横断歩道。

信号機が何色なのか、見ていなかった。



ただ、パッと走って渡った人がいたから。



(あぁ、青なんだ)



そう思って。



あたしは横断歩道を歩いて渡った。




「危ないっ!」
と、背後から声がした。



「え?」



振り向いて。

まず目に入ったものは。

横断歩道の信号機の赤色。



そして、こちらに走り寄ってくる、他校の制服を来た男子。






キキーーーッ!!!






耳に響く、ブレーキ音。



(あ、やばい)



そう思った次の瞬間。









ドンッ!!









全身に強い痛みが走る。








気づけばあたし、地面に倒れていた。


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