ひとりぼっちのさくらんぼ
あぁ、あたし。
今度目を覚ますことがあったなら。
自信を持てる人になりたい。
自信があって。
例え、ひとりぼっちでも。
今度こそ強く生きていける人になりたい。
どんどん流れていく赤い血を見つめつつ。
意識が遠のいていくのを感じた。
「絶対助かるから、だから……」
男子が声をかけてくれている。
その声も、もう遠ざかっていく。
でも。
ふと、思った。
あたし。
このまま死ぬとしても。
ひとりぼっちじゃない。
握られた手には。
もう力はないけれど。
ちゃんと感じていたから。
誰かの。
確かな、ぬくもりを。