ひとりぼっちのさくらんぼ

ギャル系女子ってだけで。

あたしは不良扱いされてしまう。



彼女の友達も、
「わかる〜」
相槌(あいづち)を打って、あたしを見てみんなで笑っていた。



クラスの人達にだって聞こえているはず。

だけどみんな知らん顔。



わかっているよ。

巻き込まれたくないよね?



知らん顔をしているほうが。

平和だもんね?



高校で。

特に制限のない、自由な時間を送れているけれど。



あたしは息が詰まりそうになる。







何か悪いことしたっけ?

何か怒らせるようなことした?



(あぁ、ダメだ)



またあたしは、自分を責め始めている。



本当に何もしていないっけ?

本当にあたし、悪いことしてない?



彼女の視線が怖くて。

あたしはうつむいた。



携帯電話を閉じて。

机に突っ伏した。



「マジなんなの、あいつ」

「放っておこうよ、あんなやつ。それより数学!」

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