ひとりぼっちのさくらんぼ
「え、うち?ここって、あなたの家!?」
急な展開に、あたしも混乱してくる。
(天国じゃないの!?)
「私の家ですっ!あなた、どこの家の子?どうやって入ったの!?警察呼ぶからねっ」
警察!?
「ちよ、ちょっと待って!あたし、怪しい者じゃないしっ……!」
事故に遭って、気づいたらここで寝てた……なんて。
どう説明すればいいの!?
「いや、充分怪しいから。まずお巡りさんに来てもらって、そこで説明してもらうから」
お姉さんは有無を言わさない態度で、持っていた鞄から何か、四角いものを取り出す。
(何、あれ?)
お姉さんはその四角い何かに何度か触れて、それを耳に当てる。
「え、それ、ケータイ!?なんか大っきくない!?」
あたしは驚いて、思わず声を出した。
お姉さんは眉根を寄せてあたしをチラッと見たけれど、
「あ、もしもし、警察ですか?家に帰ったら知らない子供が侵入していて……」
と、話し出した。