ひとりぼっちのさくらんぼ
あたしの顔立ちは、お姉さんのそれと似ている。
……ううん、そのもの。
そう言っても、おかしくないよ。
「か、上条……、絵玲奈?」
と、お姉さんは呟いた。
あたしはうなずき、
「あたしの名前ですけど」
と、伝える。
お姉さんの目がまた大きく見開かれる。
それから震える声で、
「すみません」
と、電話に向かって言う。
「すみません、あの、本人に確認したんですが、親戚の子みたいです……。あの、よく確認もせずに通報してすみませんでした」
「え?」
と、あたしはお姉さんを凝視する。
(どういうこと!?)
「……はい、……はい。失礼致します」
お姉さんは電話を切った。
「親戚の子って?」
と、あたしはお姉さんに尋ねる。
「ふぅーっ」
とため息を吐いて、お姉さんは落ち着こうとしている。
「あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけど」
そう言いつつ、お姉さんは小刻みに震える指で自身の髪の毛を耳にかけた。
「私、……私も、……上条絵玲奈なの」