ひとりぼっちのさくらんぼ
「え」
あたしの声が情けなく、部屋の中に響く。
「あなた、何年の私なの?」
「え、ちょ、待ってください」
「その恰好をしているってことは、高校時代の私ってことだよね?」
「何言ってるんですか!?」
お姉さんの言葉が謎のピースみたい。
頭の中のジグソーパズルがちっとも埋まらない。
「……いい?あなたは信じられないと思うけれど。あなたは今、タイムスリップをしているの」
「タイムスリップ!?」
あたしは驚きの連続に襲われて、頭がついていかない。
「……あの、そんな話を信じるほど幼くはないんですけど」
「……だよね、信じられないよね。わかる、わかるよ。でもさ、あなた、マジでタイムスリップしてるから」
「そんな真顔で変なこと言わないでくださいっ」
困惑するあたしにお姉さんは、
「……そうだよ、なんで気がつかなかったんだろう。私、こんなだったわ。ギャルしてたんだった……」
と、ひとり言をブツブツ呟いている。