ひとりぼっちのさくらんぼ

「あなた、なんでここに来たの?どうやって来たのか、覚えているの?」

「え」



お姉さんは急に声のトーンを落とした。



「どうだったっけ?タイムスリップをしたこと、今まで忘れてた……。なんで?こんな大事件、なんで忘れていたんだろう?」

「え、タイムスリップをしたことがあるんですか?」

「そうよ。だって、何度も言うけれど、私はあなたなんだもん。あなたが経験したことは、私だって経験しているんだから」

「……」



何これ。

もうほとんど、SFの世界じゃん。

二十一世紀って、すごい。

二年過ごしてきて、やっと二十一世紀のすごさに直面した気がする。



(……ん?)



ちょっと待って。

あたし、タイムスリップしてるってことは。



「この世界って、平成何年なんですか?ってか、西暦何年!?」

「あぁ、そうか。そうだよね。よく聞いて、J Kちゃん」

「じぇ……?何ですか、それ」

「あ、知らないか。女子高生って意味。J Kって言葉、これから先、生きているうちに聞くようになるよ」

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