ひとりぼっちのさくらんぼ
「はぁ、J K……、覚えておきます」
「うん。あのね、平成何年かって話だったけれどね?」
「うん」
お姉さんは一呼吸置いて、こう言った。
「今ってね、平成じゃないんだよ」
「……え?」
あたしの頭の中のコンピューターは、一旦停止した。
「今は、令和元年。西暦でいうとね、2019年だよ」
「え!?」
2019年!?
ってことは、あたし……?
「ちょっと!あなた、今、私の年齢を計算してるでしょ!?」
「さ、三十四歳!?」
「……」
「……」
「あのね、J Kちゃん。そこは若〜い、見えな〜いって言うところだから」
「いや、悪いんですけど、そういうの無理だから。ショックが大きくて、そこまで頭回らないし」
「何!?ショック!?ちょっと!!」
お姉さんは大袈裟な声で、
「いやー、私のほうがショックだからね!?だってよ!?忘れたい黒歴史である、ギャル系の自分と再会したんだから!」
と言う。