ひとりぼっちのさくらんぼ

あたしはお姉さんの言い分に、思わずカチンときて、
「黒歴史!?よく言う!!自分で望んでギャル系になったくせに!!好きじゃんか、この金髪!!このマニキュア!!」
と言って、
「あなたに黒歴史なんて言われたくない!」
なんて、喧嘩腰になる。



お姉さんも眉毛を上げて、
「いやいやいや、言わせてもらうよ!?黒歴史だから。その細っそい眉毛、何なの!?ボールペンで書いたみたいな尖った眉毛、見てるだけでマジで顔が真っ赤になる!」
と、まくしたてる。



「そんな太っとい真っ直ぐな眉毛のほうがダサいから!それにさっきから思っていたけれど、何なの、そのワンピの丈!長すぎる!!くるぶしまであるじゃん!!どこで買ってくるんだよ、謎すぎる」

「どこでも買えますぅ、あなたのそのミニスカートのほうが恥ずかしいから!そんな短い丈ばっかり穿いてたら、いつか風邪引くんだからね」

「……歳を重ねた人ほど、オシャレと体調をくっつけて話しますよね?」

「……うっ!!」



お姉さんが黙った。

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