ひとりぼっちのさくらんぼ
第二話
第一話
「何て呼べばいいですか?」
あたしはお姉さんに尋ねた。
あたしがソファーに。
木目調の可愛いローテーブルを挟んで。
クッションの上にお姉さんが座っている。
ちょうどあたし達は向かい合わせ。
「あぁ、私の呼び方?」
「自分とはいえ、お姉さんに対して名前呼びも変じゃん?」
「それでいいよ」
と、お姉さんは軽くうなずいた。
「え?」
「だから、『お姉さん』でいいよ。姉妹じゃないけれどさ、似たようなものじゃない?」
お姉さんはそう言って、「あたしはJ Kちゃんって呼ぶ」と、嬉しそうに宣言した。
「ここには、ひとりで暮らしているんですか?」
「うん、そうだよ。お父さんもお母さんも、あなたが知っているあの家に今でもいるけれど、私はひとり暮らしを選択したの」
「……なんで?」
あたしの質問にお姉さんは、
「わかっているでしょ?……関係がうまくいっていないからだよ」
と、笑った。
「……ずっと?」
「そうね、まぁ、ずっとギクシャクしてるよね」