ひとりぼっちのさくらんぼ
「いい?私の手に触れられる?」
そう言ってあたしに手の平を見せる。
心臓の音が体中に響く気がした。
(この手に触れられなかったら……)
緊張して、なかなか体が動かない。
「J Kちゃん」
「……」
「大丈夫だよ、J Kちゃん。あなたは、私なんだよ。絶対に大丈夫」
「え?」
お姉さんはあたしの目をまっすぐに見る。
あたしはその目を見つめ返した。
「私は今、生きているから。大丈夫。あなたは死んでなんかない」
あたしは小さくうなずいて。
そっと手の平をお姉さんに見せた。
ゆっくり。
お姉さんの手に、自分の手を近づける。
ひたっと、感触があった。
「あ……」
お姉さんの柔らかい手が。
あたしの手をふんわり包む。
「ほら、触れられたじゃん」
お姉さんはそう言って、ニッコリ笑った。
安心したのかな。
あたし、気づいたら泣いていた。