深紅の復讐~イジメの悪夢~
気づいたら、誰もいなかった。
あたしは学校の裏山の森の中で、横になっていた。
シワだらけになった制服が乱暴に着せられている…
あたしは、涙を流し続けた。
体を動かすと、腰に、体に、痛みが走る。
あたしは、顔も名前も知らない男たちに犯されて、汚された。
呆然として地面にペタンと座る。
麗華たちは、あたしがレイプされているのを見て、笑っていたのだろう。
……最低だ…
「ヒック……」
何かが頭の中で切れた。
ぷっつりと見事に切れた。
もう…全てが嫌になった。
限界だ。
もう無理だ。
あたしは、学校に戻り、屋上に行く。
高い柵を乗り越える。
夕陽があたしの涙を照らす。
「ごめん…あたし、もう無理。」
スカートが風ではためく。
足の下には、アスファルトが広がっている。
落ちたら、間違いなく死ぬだろう。
もう、それでいい気がする。
だって…
もう嫌なんだ。
こんな世界でいじめを受けて、レイプされて、たくさんの人に裏切られて。
「もう…何もかも……いやだ」
一歩足を踏み出せば、終わる。
もう、全てを終わらせるんだ。
死んで、憎い麗華たちに思い知らせてやる。
あんたたちは、人殺しだ。
立派な殺人鬼だ。
これが、私にできる精一杯の復讐なんだもん。
「さようなら——」
あたしの足が屋上の淵を越える。
これが、全ての終わりだ。
あたしの高校生活を全て捨てる。
これで、おしまい。
何もかもおさらば——。