深紅の復讐~イジメの悪夢~
「ダメなんだ。アイツらは、そういう奴らなんだ。死んだって復讐なんかにならない。すぐに忘れられる。俺、そういう人を何度も見てきたんだ。」
「っ……、だったら、どうすればいいのよ……」
もう、八神さんに全てを任せるつもりになった。
「復讐しよう。手伝ってやるから。
——本物の生き地獄を見せてやろうぜ。
やられたことを全て思い出して。
憎いでしょ?悔しいでしょ?」
体中の痛みがあたしのイジメを物語る。
アイツらが…あたしを忘れてのこのこと生きているなんて許せない。
ふざけんな。
あたしの中で、怒りが沸き立つ。
「憎い……」
「だろ?やられた者がやり返して何が悪い?
法律で裁けないなら、自分でやるしかないでしょ?
やろうぜ、復讐。」
あたしは、その言葉に、しっかりと頷いていた。
復讐が成功するかなんて関係なかった。
全てが壊れたあたしには、もう、何も残っていなくて。
何かにすがりたかったんだ。
「いいね。その意気でやろう。」
八神さんがクスリと笑う。
右手で左手のミサンガを触っている。
あたしは、八神さんに助けられたんだ。