深紅の復讐~イジメの悪夢~


「………え?どういうこと…?」



あたしの第一声はそれだった。

情報屋?

誰だよ。

てゆーか、メールだったんだ。

で…?

裕二が…コンビニ強盗?

あらま。

どうしましょ。

眼光の鋭さ学校一の生活指導のセンセが…




「おーい、清水〜?」




目の前で手が振られてハッと我に帰る。



「あ、うん。ど、どうするの…?」

「さあ?あんたが復讐したい人に復讐すればいいの。俺はそれに従うから。」



八神さんは軽いノリで言うけど…

復讐する人を決めるなんて、そんな簡単じゃないよ…



「あたしには、分からないよ…復讐なんて……」



手を握って下を向く。

あたしは、弱いから。

いつも、逃げ腰だから。

優柔不断だから。



——あたしには、できないよ…



小さな痛みが額に走る。


「いたっ……」

「ほら、すぐ弱気になる。
憎い人、許せないと思った人を挙げていけばいいのに。
簡単でしょ?
イジメなんてするやつを許せるの、清水は。
馬鹿なこと考えてないで早く決めたら?」



デコピンをした八神さんがあたしを見て言う。

そう…だよね。

そうだよね。

憎い人は…いる。


でも…

あたしにはキツイから、猶予が欲しい。

すぐに名前を挙げられるほど、あたしは強くないもん。



「八神さん…明日まで待って。」



あたしは、八神さんと別れて家に帰った。


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