深紅の復讐~イジメの悪夢~


「っ……いい……ぐ……はっ……」


人生で2度目の苦痛が襲う。



「オラオラ!!手ェ抜いてんじゃねぇよ!!」



———バキッ!


裕二に殴られる。


「ぐっ……」


今回はなかなか意識を失えない。

でもね、そのおかげで今回は見えているんだ(・・・・・・・・・・)


あたしたちから少し離れて、あたしを見下して笑っている人たち。

スマホで写真を撮っている人たち。

気持ちの悪い笑みを浮かべながらあたしを犯す人。


あたしは、涙で霞む目を最大限に見開いてあたしの目の前の人を見る。

あたしのプライドを、心を、決定的に壊した。

汗をダラダラ垂らして笑いながら激しく動く裕二。

気持ち悪いったらない。



「………決まった。」




あたしは目を伏せて呟く。




「あぁ!?なんか言ったかオラァ!!」

「ぐあっ……」





裕二の拳があたしの体を襲う。

そうこうしているうちにも意識が霞んでゆく。

この痛みは何度経験しても慣れないだろう。

お腹に響く鈍痛を感じながらあたしは意識を手放していく。



あた…しは、

コイツら……

に…

ふ……

くしゅう…

する。




———絶対に許さない。






腹部の鈍痛が激しくなる。

バチンッ!

急に大きな音がしたと思った。

目の前が点滅し始める。

あたしの意識は飛んだ。



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