深紅の復讐~イジメの悪夢~


「この度、学級委員に立候補させていただきました、白神です。
そうですねぇ…簡潔に言うと、私は、このクラスを、学校一仲の良い、楽しいクラスにします!
そして、文化祭では、みんなの憧れ、カフェを実現させます!!」


わぁー!っと歓声が上がる。

カフェは、男女問わず、やりたいと思っている人がたくさんいる。

でも、校長が金銭トラブルや、衛生観念を理由に、許可していない。


でも、麗華がやると言ったものはほぼ実現される。


…それが財閥の令嬢の力なんだ。


———ガタンッ!

椅子が鳴り、みんなが静かになる。

立ち上がったのは、奈々美だった。


立ち上がった奈々美は、にっこり笑って言った。


「どうせなら、男女逆転にしません?もっと男女の仲の良いクラスになるのではないでしょうか?」


男女逆転!

漫画でしか見たことのないワードだった。


「いいな!伏見女装似合いそうだな!」
「面白そう!」
「メニューにチーズケーキは絶対に入れたい!」


あっという間に教室がガヤガヤする。


「Hey!みーなさん!!今はそーゆー時間じゃーありーません!おちーついてきださい!渡辺さーんも、発言には気をつけーなさい。」


1番テンションの高い佐藤先生がみんなを黙らせる。


「えへへっ、ごめんなさい。みんなごめんねぇ!」

「もー、何やってんのよななみん!」


テヘッと舌を出して笑った奈々美を後ろの聖理奈が軽く叩く。

みんな、楽しそうに笑っている。

奈々美も。

———すごく、すごく楽しそうに笑っている。


…でも。

奈々美は前はそんな思い切った発言をする子じゃなかった。

シャイで、どちらかというと内気な子だった。



……『奈々美』が、どんどん『ななみん』になっていく。
< 12 / 332 >

この作品をシェア

pagetop