深紅の復讐~イジメの悪夢~
「この度、学級委員に立候補させていただきました、白神です。
そうですねぇ…簡潔に言うと、私は、このクラスを、学校一仲の良い、楽しいクラスにします!
そして、文化祭では、みんなの憧れ、カフェを実現させます!!」
わぁー!っと歓声が上がる。
カフェは、男女問わず、やりたいと思っている人がたくさんいる。
でも、校長が金銭トラブルや、衛生観念を理由に、許可していない。
でも、麗華がやると言ったものはほぼ実現される。
…それが財閥の令嬢の力なんだ。
———ガタンッ!
椅子が鳴り、みんなが静かになる。
立ち上がったのは、奈々美だった。
立ち上がった奈々美は、にっこり笑って言った。
「どうせなら、男女逆転にしません?もっと男女の仲の良いクラスになるのではないでしょうか?」
男女逆転!
漫画でしか見たことのないワードだった。
「いいな!伏見女装似合いそうだな!」
「面白そう!」
「メニューにチーズケーキは絶対に入れたい!」
あっという間に教室がガヤガヤする。
「Hey!みーなさん!!今はそーゆー時間じゃーありーません!おちーついてきださい!渡辺さーんも、発言には気をつけーなさい。」
1番テンションの高い佐藤先生がみんなを黙らせる。
「えへへっ、ごめんなさい。みんなごめんねぇ!」
「もー、何やってんのよななみん!」
テヘッと舌を出して笑った奈々美を後ろの聖理奈が軽く叩く。
みんな、楽しそうに笑っている。
奈々美も。
———すごく、すごく楽しそうに笑っている。
…でも。
奈々美は前はそんな思い切った発言をする子じゃなかった。
シャイで、どちらかというと内気な子だった。
……『奈々美』が、どんどん『ななみん』になっていく。