深紅の復讐~イジメの悪夢~



放課後、あたしと百合香は体育館へ向かった。


「百合香〜、部活の活動日数多くない〜?」

「あはは…のんびり屋さんの愛香にとってはキツイかな?」



あたしと百合香はダンス部に入っている。

なんとなく、夏でも涼しそうだなー、くらいの感覚で入ったら思いのほかキツくて…

ちなみに、これは完全に偶然なんだけど、麗華とその取り巻き、そして奈々美もダンス部である。



体育館にはもうほとんどの生徒が集まり、練習していた。


麗華とその取り巻きたちも、「かもめのワルツ」という創作ダンスを練習していた。



「麗華姫ぇ〜!ここ、ステップ早過ぎて分かんない〜!」


奈々美がCDを何度も巻き戻しながら言う。


「ああ、ここ、ななみんも苦手なんだね!えっとね、ここ、ゆっくりやってみようか。」


麗華がその横で親身になって教えている。


その甲斐があってか奈々美のダンスはメキメキと上達していく。




「できた!!できたよ麗華姫ぇぇ〜!!」

「さすがななみん!才能あるんじゃない?」

「うんうん。すごくよかった〜!」

「えへっ…でも、麗華姫には敵わないよ〜!」

「そりゃあね!麗華姫はあたしたちとは次元が違うもん!!」

「もぉ〜、みんな、やめてよ〜。」



あたしは彼女たちのチームワークに感心してしまった。

適度に姫をほめて、機嫌をとっている。

それもすごくさりげなく。
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