深紅の復讐~イジメの悪夢~
第五章 松本聖理奈side
イジメ
「はぁぁぁぁ!?」
あたしは、叫んでいた。
「裕二が行方不明!?はい!?どういうこと!?」
あたしは思わずななみんの胸元を掴んで揺さぶっていた。
「お、落ち着いて…聖理奈ちゃん…」
ななみんの頭が前後に激しく揺れて、ななみんが情けない声を出す。
落ち着いてられねぇっつの!
裕二が行方不明になったって?
しかも、つるんでいたヤクザ3人もろとも?
大変じゃん!!
「ななみん!詳しく!」
あたしは教室で身を乗り出した。
「ええ…うん、昨日裕二くんと会う約束してたら会えなくてさ、夜まで待っても来なかったんだよ?
裕二、家にも帰っていないみたいだし、大輔さんたちのところにもいないみたいだし…
てゆーか、大輔さんたち自身も行方不明になって探されてたし。
一夜で大ごとになっちゃった。」
ななみんは肩をすくめて話す。
こんなことはよくある事だという表現かもしれないし、裕二は必ず帰ってくる事を固く信じているという表現かもしれない。
ちなみに、大輔というのは、ヤクザらのボスらしい。
4人同時にいなくなるなんておかしいって!
絶対何かあったんだ。
そんなあたしの考えとは裏腹に、周りの人たちは落ち着き払っている。