深紅の復讐~イジメの悪夢~
「え…?」
今までの愛香からは想像できないような強い強い光が瞳に宿っていた。
「な、何!?睨まないでくれる?」
あたしは少し身をひいて言った。
でもね、忘れていた。
「キャハハハハハ!!!」
麗華姫が高い声で笑う。
「キャハハ!ウケるんだけど聖理奈〜!ぶーちゃんにビビっちゃうとかどうしたのぉ?」
一見楽しそうに無邪気に笑っている麗華姫だが、目は座っている。
だめだ。
あたしは麗華姫の目には耐えられない。
色々な記憶がごちゃ混ぜになってフラッシュバックする。
泣き喚いた日々、痛みに耐えた日々。
辛かった…。
ハッと我に帰る。
危ない、意識が過去に飛ぶところだった。
あたしはしっかりと過去に蓋をして、愛香と向き合う。
「ななみん、柑奈、押さえといて。」
「了解!」
あたしは、屈んで愛香の顔に近づく。
恐怖で歪んだ顔。
面白い。
でもね…
あたしも、その顔をしていたんだと思うと、反吐が出る。
気持ち悪い。
『あんたたちは狂っている!』
いつか、愛香がそんなこと言ったっけ?
違うんだよ、愛香。
あたしたちは狂っていないよ。
だってね、だってね。
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