深紅の復讐~イジメの悪夢~
「おはよう!!」
あたしは、いつもより元気に教室に入った。
クラス中の視線があたしに集まる。
「聖理奈〜!すごいね!雑誌の表紙なんて!」
「ほんとほんと!」
「さすがだよねぇ!」
柑奈、彩綾、ななみんが駆け寄ってくる。
周りの人たちも羨望の眼差しであたしを見つめる。
廊下からは男子の視線も感じる。
あたしは、体中を駆け巡る快感を感じていた。
注目されるって、最高に気持ちいい!
あたしは、麗華姫に目を向ける。
麗華姫も、褒めてくれないかな?
あたしの視線を感じたのか、麗華姫がスマホから顔を上げる。
「あ…、聖理奈、来てたの。おはよ。」
頬の筋肉が少しだけ引き攣る。
そうだよね…
麗華姫は、あたしたちには興味ないんだよね。
…イジメ以外。
イジメをするときの麗華姫の顔は、全然違う。
目がキラキラしていて、本当に楽しんでいる。
あたしと同類だ。
麗華姫は…麗華姫はね。
愛香とか八神をターゲットにする前はね———
「あ、みんな〜!!」
女子の声が響く。
教室中の視線がそちらに向く。
——八神夜風だ。
綺麗な唇が少し上がっている。
目は、挑発的な光を浮かべていた。
「松本さんのSNS、炎上してる〜。」
は…?
どういう意味だよ?
「え?ほんとじゃん。」
「なんだこれ…」
「わー、コメント荒れてる…」
みんなが囁く。