深紅の復讐~イジメの悪夢~
「お母さんっ!お父さんっ!」
家に転がり込んだ。
落ち着く香りがする。
肩で息をして、呼吸を落ち着ける。
はやく、優しくあたしを包んで。
「聖理奈…?」
「お母さんっ!」
あたしは、出てきたお母さんに突進した。
暖かい胸の中に飛び込———
パァンッ!!
頬に痛みが走る。
「えっ……?」
理解できなかった。
なんで?
なんで?
なんで?
なんで?
なんで?
なんで?
なんでなんでなんでナンデナンデナンデ?
どうして、お母さんは、あたしを叩いたの?
「聖理奈!!あんた、なんてことしてくれたのっ!?」
お母さんが怒鳴っている。
いつ以来だろう。
お母さんが大声を出したのは。
「へ…?」
間抜けな声が出た。
そんな。
あたし、どがめられるようなこと、何もしていない…。
「聖理奈。」
後ろからお父さんが出てくる。
「お、お父さんっ!ね、聞いて?あのね、お母さんが、急にあたしのこと叩い———」
「自分が一番知っているだろう!?」
お父さん、なんでそんなに怖い顔をしているの?
「なんて事をするんだ!!人をいじめるなんて。人としてどうなんだ!」
お父さんが声を荒げる。
いじめる…?
あぁ、SNSのやつ…
でもでも!!
「お父さん!あれは、誤解だよ!!」
あたしは必死に叫んだ。