深紅の復讐~イジメの悪夢~
「おい、まだかよ!?」
リビングからは母が怒鳴る。
わたしは縮み上がって料理を作り続ける。
「で、出来ました…。」
わたしは、急いで盛り付け、テーブルに運んだ。
「………。」
お母さんはいただきますも言わないまま、無言で食べ始める。
わたしは、テーブルの反対側に座り、自分用の夕飯を食べる。
「柑奈。」
「は、はい!」
不覚にも肩がビクンと跳ねる。
なにを言われるか、恐怖で足が震える。
わたしは、箸を置いて身構えた。
「あんた、期末考査はどうだったの?」
ど、どうしよう……。
目の前が真っ暗になった。
期末考査…とっくに終わって個票や順位も返ってきてる……。
それについては、お母さんになにも言っていない。
怖いから。
「あ、あの…まだ、成績は返ってきていなくて…」
わたしは、咄嗟に誤魔化した。
ちょっとでも、嘘をついて、誤魔化せる期間を延ばしたい。
お母さんはすぐに口を開いた。
「は?あんたの友達のお母さんは、もう返ってきたって言ってたよ?」
あ…。
終わった。
「あ…あの…。」
「嘘つきだなテメェは!!この前嘘ついて怒られたばかりじゃん!なに?そんなに嘘つくのが楽しい?」