深紅の復讐~イジメの悪夢~


「おい、まだかよ!?」



リビングからは母が怒鳴る。

わたしは縮み上がって料理を作り続ける。



「で、出来ました…。」



わたしは、急いで盛り付け、テーブルに運んだ。



「………。」



お母さんはいただきますも言わないまま、無言で食べ始める。

わたしは、テーブルの反対側に座り、自分用の夕飯を食べる。




「柑奈。」

「は、はい!」



不覚にも肩がビクンと跳ねる。

なにを言われるか、恐怖で足が震える。

わたしは、箸を置いて身構えた。




「あんた、期末考査はどうだったの?」



ど、どうしよう……。

目の前が真っ暗になった。

期末考査…とっくに終わって個票や順位も返ってきてる……。

それについては、お母さんになにも言っていない。



怖いから。




「あ、あの…まだ、成績は返ってきていなくて…」



わたしは、咄嗟に誤魔化した。

ちょっとでも、嘘をついて、誤魔化せる期間を延ばしたい。

お母さんはすぐに口を開いた。



「は?あんたの友達のお母さんは、もう返ってきたって言ってたよ?」




あ…。

終わった。




「あ…あの…。」

「嘘つきだなテメェは!!この前嘘ついて怒られたばかりじゃん!なに?そんなに嘘つくのが楽しい?」


< 181 / 332 >

この作品をシェア

pagetop