深紅の復讐~イジメの悪夢~


それで、友達も失ったっけ。

小学生の頃に仲が良かった、亜捺(あお)ちゃん。

わたしの嘘が親にバレて、わたしの嘘が原因で、親同士が仲が悪くなり。

わたしたちは話をしなくなった。

わたしは、クラスから孤立していた。

嘘に嘘を重ねたせいで、矛盾が生まれ、信用を失った。

友達を失った。



だから、中学に入って、知っている人がいなくなった時、わたしは、新しく嘘を作り始めた。

中学からはメイクもして、外見まで、嘘をついた。

矛盾が生まれないように、慎重に嘘を重ねて行く。


いつしか、麗華姫と出会って、嘘は加速した。

麗華姫に見放されることが、怖くて。



「わたし」は、全く違う自分、「あたし」を完成させた。



そう、学校の「白波柑奈」と、家での「白波柑奈」は。





———別人なんだ。




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