深紅の復讐~イジメの悪夢~


「おい、聞いてんのかよ!」



———ガンッ!

いった…。

すねを蹴られる。



「だ、出します…。」



わたしは、覚悟して、答案用紙と、個票を出した。

お母さんは、無言で個票を見つめる。



「は?クラス3位?ふざけんな。」



お母さんは、個票を破った。

成績上位者は、掲示される。

一位は、八神夜風。

二位は、白神麗華。

三位が、わたしということ。




「成績下がってんじゃねーかよ!」



胸元を掴まれる。

だって、だって。

八神さん?って人…「わたし」は会ったことがないけど…

が、すごく頭がいいみたいなんだ。

「わたし」が聞くには、すごく頭がいい高校から転校してきたらしい。



「っ…、ごめんなさい…。次からは…。」

「いっつもいっつも聞いてるんだよそんなことは!!!」



お母さんに怒鳴られて、胸の底がえぐられるような感覚がする。



「いつになったら治るんだよ、その嘘つく癖は!!!」



何度も殴られる。

泣きたくなった。

でも、泣けば、「嘘泣きするな」と言われて終わりだ。

だから、全力で涙を堪えた。


わたしが小さい頃からお母さんは理不尽で、暴力的で、毒親で。

わたしも自覚していた。

だけど、相談なんか出来なくて。

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