深紅の復讐~イジメの悪夢~
「あは…は…。」
虚しくなってあたしは涙をこぼした。
涙は止まらなかった。
16年間わたしを苦しめてきた親が、行動不能になっている。
「あはは……っ…う…っう…」
笑い飛ばしたいのに、涙が溢れる。
わたしの心も、あたしの心も、崩壊寸前。
「あんたも、こうなるのよ、白波柑奈。」
愛香が、わたしを踏みつける。
気力のなくなったわたしは、床に倒れた。
ガソリンの匂いが、一層鼻につく。
「いっつもいっつもあたしを、苦しめてきたよね、白波柑奈。同じだけ、ううん。それ以上、苦しみなさい。」
愛香がわたしに何かを押し付ける。
シューッと音がする。
「っ………!?」
そして、身体に走る、激痛。
「ぎゃああああああ!!!!」
わたしは全力で叫んでいた。
バーナーだ。
バーナーで、愛香がわたしの体を、焼いている…?
理解した時には遅かった。
わたしは、容赦なく、強い炎を浴びせらていた。
痛い痛い痛い…!!
痛みに涙が溢れ出す。
「やめ…て…」
「あたしの痛みは、こんなもんじゃない。」
愛香がバーナーを止める。