深紅の復讐~イジメの悪夢~
愛香が、フライパンを振りかざす。
「い…!」
喉の奥がヒュウッとなる。
慌てて目を瞑る。
でも、フライパンは容赦なくわたしを襲う。
頭から脚まで、殴られる。
その度に激痛が体を襲う。
わたしの目からは涙がとどめなく溢れた。
「はぁ…はぁ…。」
愛香が息を切らす。
わたしは、身体中が腫れ上がって、動けなかった。
「もう、いい。あんたたちは、これから焼け死ぬのよ。焼き肉になるのよ…。」
愛香が肩で息をしながら不気味に笑う。
手には、やはりバーナー。
あれで火をつければ、この家は燃えるだろう。
逃げられないわたしたちは、死ぬだろう…。
わたしは、我慢の限界だった。
「あたし」に対して。
ふざけんな!!
なんで、「わたし」ばっかり辛い思いをしなくちゃいけないの?
悪いことをしているのは、全て、「あたし」なのに。
なんで、「あたし」は辛いことから逃げるの?
どうして、「わたし」に全部を背負わすの??
ふざけんな!!「あたし」っ!!
今までやったことはないけど、やってみる。
何もわからないまま、「あたし」が消えていくなんて許せない。
「わたし」だけが苦しまなくてはいけないなんて、納得ができない!
出てきなさい、「あたし」!!