深紅の復讐~イジメの悪夢~



「あっ、あたしも…わたしも、こんな、クソ親と死ぬなんて…嫌なのにっ…!!」



喉からは嗚咽が洩れ、涙はとどめなく流れる。



「どうして…こうなってしまったの…!」



虚しかった。

親に支配された人生を歩んで、麗華姫に縛られた生活をして。

悔しかった。

苦しかった。

辛かった。


わたしは、家で苦しめられ、あたしは、学校で苦しめられ…。



「あたしって、わたしって、なんだったんだろう…っ。」



結局、わたしって自分のためになるようなこと、した?

あたしって、本当に理想の人生、歩んだ?



答えは、ノー。



わたしの人生も、あたしの人生も、クソみたいな人生だった。

死にそうになってから気づく。


こんな、クソ親から、誰かが救ってくれれば。

ううん。

クソ親から離れる勇気がわたしにあれば。



わたしは、もっといい人生を送れたのかな…?



窓ガラスが音を立てて割れる。

肺は、ヒリヒリと痛み、身体に至っては、感覚が無くなっている。

それでも、八神は柑奈を、見つめている。



「いつまでここにいるの?焼け死ぬよ。」



あたしは、八神に言った。

…わたしかもしれないけど。

そのとき、八神の瞳がキラリと光る。




「分かるよ………。」




八神は目を伏せて話した。

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