深紅の復讐~イジメの悪夢~
愛香side
「ごほっ…ごほっ!」
焼け落ちていく家から、夜風が出てくる。
って、は…!?
夜風の髪の毛はかなりぐちゃぐちゃになり、咳をしながらよろよろと出てくる。
ボロボロじゃん!
「だ、大丈夫!?」
あたしは、夜風を抱きとめた。
夜風は荒い呼吸を繰り返している。
もう…無茶するから……。
どうしてこんなに長く火事現場にいたのよ…。
「もう…!なにしてんの、大丈夫なの!?」
夜風はあたしの腕の中で咳をしている。
「だ…いじょ……う…ぶ……」
夜風はヒューヒューと呼吸をしている。
ダメじゃんそれ…!
それでも動けるようで、あたしとともに走って現場を去った。
どういう体力してんの…。
てか、速い!
あたしは、夜風に引っ張られるようにして走った。
ここらへんは、かなり建物も少ないから、火事が発見されるのは、かなり遅くなるだろう。
あたしたちは、かなり走って、バスに乗った。
バスで一気にあたしの家の近くまで帰る。
そして、公園に入って、ベンチに座った。
夜風は、かなり回復してきていた。
「大丈夫だよ。白波柑奈は死ぬから。」
夜風は唐突に言った。