深紅の復讐~イジメの悪夢~



「本当に、ごめんなさい!!!」



百合香は、あたしに凄い勢いで頭を下げた。



「あ、あたし…、あの人たちに脅されて…!嫌だったけど、無理矢理裸の写真撮らされて…!!!」



百合香はボロボロと涙を流した。



「あんな脅しなんかに負けるあたしが嫌で…!ごめんなさい!愛香のこと、いじめたりして…ごめんなさい!!」



百合香は強く手を握って頭を下げていた。

百合香の涙が、あたしの手に落ちる。

温かかった。



「ううん、ううん。いいの、百合香。」



あたしの目からも涙が落ちる。



「ありがとう。あたしのこと、庇ってくれて、ありがとう…。」



あたしは、百合香の手をそっと握った。

かわいそうに…百合香。

あたしを庇っただけなのに、奈々美に突き落とされて入院して。

本当に、かわいそうにね…。


ねぇ?百合香。

かわいそうにねぇ……。




「あたしはね、百合香をいじめた奴ら、あたしをいじめた奴らを許さないよ。あいつらは、人間の顔をした悪魔だよ。百合香が入院したって、イジメは止まらない。エスカレートする。あいつらは、百合香のことなんてなんとも思っていないんだよ。酷いと思わない?」



百合香は目を見開いた。

酷いでしょ?

酷いと思うでしょ?

おかしいでしょ??
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