深紅の復讐~イジメの悪夢~


ふ、急に変なこと思い出しちゃった。


いけないいけない。

過去を振り返るのは、危ない。

気持ちが暗くなる。

復讐の、妨げになる………。



「あたしさ、あいつらにやり返すんだ。やられた分を倍返しする。許せないでしょ??復讐してやるんだ。夜風と一緒にね!!!」



あたしの口に自然と笑みが浮かぶ。

百合香、あんたも悔しいでしょ?

あたしが、追い詰めてあげるよ、あいつらを。

許せないよね〜?

百合香。


百合香の口が震える。


やっぱり、許せないよね、百合香?



「ねえ、愛香。」

「ん?なあに?」



聞いてあげるよ。

あたしは、百合香の親友だから。



「本当の復讐って、なんだと思う?」



「は…?」



なにを言うのかと思えば。

なに言っているの、百合香。



「そんなの………殺す…ことに決まってんじゃん。」



まだ慣れない。

「殺す」という言葉。

あたしは、間接的なこともあったけど、今までに6人を死に追いやっている。

これだけしても、慣れない。

どうしても一線を越えられない。



でもね。

これだけは知っているよ。

復讐っていうのはね、殺してこそ意味のあるものなんだ。

殺さないと、この世に存在し続ける。

この世から悪者は、抹消しないと。

なにをしでかすかわからない。

だから、本当の復讐は…




「殺すこと」


ダヨ?



——当然。
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