深紅の復讐~イジメの悪夢~
「違う………。」
ん?
なんか言った?百合香。
よく、聞こえなかった。
「なんて言ったの?」
百合香は顔を上げた。
目には、強い光が宿っていた。
百合香はしっかりと口を開いた。
「違うよ、愛香。本当の復讐は、違う。」
は…??
なに言ってんの?
違う?
じゃあ、なんだって言うの?
「本当の復讐はね、愛香が幸せになることだよ!!イジメなんかに屈しちゃダメ。幸せになって、見返してやろうよ!」
百合香はキッパリと言い切った。
でもね……。
ぬるいんだよ。
そんなんで復讐になるの?
そんなんじゃずーーーっと悪者たちは野放しになるんだよ。
それでいいの?
あいつらは、ずーっとずっと、誰かをいじめ続ける。
そんなのが許されていいの?
「なんで?そんなの、ぬるすぎる。」
あたしは百合香に言い返した。
でも、百合香は怯まなかった。
「やられたことを倍返しする復讐なんて……あいつらと同じところに堕ちるだけだよ??やっていることは、あいつらと同じ。それでいいの?」
百合香…。
なんで、そんなこと言うの?
親友ナノニ…。