深紅の復讐~イジメの悪夢~
あたしがふざけていると思っているのだろう。
「う〜ん、それってイジメ?みたいじゃん。あたしはそんなこと、やりたくないなぁ…。」
彼女は、とても心の綺麗な人なんだなって思った。
その全てが好きだった。
あたしは彼女に心酔していた。
「イジメ?何がいけないの?麗華ちゃんがイジメをするのは、悪いことじゃないと思うな。」
あたしは顎に人差し指を当てて首を傾げた。
彼女がギョッとした顔をする。
「そ、そんな、何言ってんの、彩綾ちゃん。イジメは、いけないこと。たとえあたしがどんな立場であろうと、イジメなんて醜いこと、絶対にやらない。」
彼女はキッパリと言い切った。
「え……?どうして、麗華ちゃん?麗華ちゃんは、人の上に立つべき人なんだよ?イジメて、何が悪いの?」
あたしは、素直に疑問だった。
あたしと彼女の意見が、初めて対立した。
彼女の顔が曇る。
「もう、この話はやめよう?あたしと彩綾ちゃんの意見が対立するのは仕方ない。もう、この話題には触れないようにしよう。」
彼女はそう言って飴を口の中に入れた。
コロコロと舌で飴を転がしながらはにかむ。