深紅の復讐~イジメの悪夢~
ウチのクラスには、クラスの輪を乱す女がいた。
名前は……、苗字は忘れた。
ハルカという名前だった。
運動も勉強も出来なくて、何もかもクラスの足を引っ張っていた。
先生は、それは、みんなの個性。
とか言うけど、そんなの関係ないよね?
あたしからしたら、めっちゃイライラする存在なんだよね。
どうして動きがそんなにトロいの?
あたしには、全く分からない。
もうちょっと、足を早く出せばいい話じゃん、もうちょっと早口で話せばいいだけじゃん。
なんでそれができないの?
ふざけてんの?
理解できない。
マジで、イライラする。
「ねぇ〜、彩綾ちゃ〜ん。運動会の〜、全員リレーのことなんだけど……。」
そのくせ偽善者ぶって!
キモいんだよ、話し方。
「なに?とっとと言えば?」
あたしの怒りは爆発寸前。
モジモジと動くハルカを見ているだけで苛立った。
「あたしぃ〜、2回走っていい〜〜?」
その言葉に目を見開いた。
「は、はぁ!?ふざけてんの?あんたが2回走ったら惨敗確定じゃん!!2回走るのは麗華ちゃんに決まっているじゃん。」
バンっと机を叩いて立ち上がる。
でも、トロくて、ずれているハルカは、全然表情を変えなかった。