深紅の復讐~イジメの悪夢~



「だってぇ〜、あたし、お母さんが来てくれるんだもん〜。2回走ってもいいでしょ〜〜?」



なんなのコイツは!

そんな理由で走りたい??

ふざけないでほしい!!

あたしは、半ば叫んでいた。




「ふざけないでくれる!?そんな個人的な理由でクラスの輪を乱さないでくれない!?」




ハルカはニコニコとゆったり笑いながら「だってぇ〜」とノロくしゃべる。




「『勝ちたい』っていうのも個人的な理由でしょぉ〜?あたしもぉ〜、走りたいんだぁ〜。あぁ〜、全員リレーじゃなくてもいいやぁ〜。代表リレーに出たいなぁ〜。」





こ、コイツ、なんなのマジで!!

代表リレー?

そんなのに足の遅いあんたがでる?


やめてほしい!


なんなのあんたは!?




「あんたさぁ!いい加減にしなさいよ!!」



あたしは、間近でハルカの顔を覗き込む。



「だってぇ〜!」

「だってじゃないわよ!!あんたさぁ!マジなんなの!?そういう友達のフリして自分勝手で嫌な言動をするやつ、フレネミーって言うんだよ!?最悪!!!」




あたしは早口で捲し立てた。

ハルカはポカーンと口を開けて間抜けな顔をしている。


そして、ハルカの顔が少しずつ歪んでいく。


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