深紅の復讐~イジメの悪夢~




「ふ、ふぇぇぇぇぇぇ〜〜。」




ハルカが泣き出した。

なんで、泣くの!?

あたし、なんか言った!?

マジ、意味わからない!



「さ、彩綾ちゃん!なんて事するの!」



麗華ちゃんが泣いているハルカに駆け寄ってきて、肩を抱く。


………なんで。



なんで、麗華ちゃんはハルカの味方なの!

あたしは麗華ちゃんに奴隷のように尽くしているのに。


なんでハルカなのよっ!!!




———パーン!




教室に乾いた音が響く。

麗華ちゃんがあたしを見て目を見開く。



「な…彩綾ちゃん…。」




麗華ちゃんが震えながらあたしを見つめていた。

ハルカは泣き止み、目を見開いて左を向く。

あたしの右手のひらがヒリヒリ痛む。



あたしが叩いたんだ。



ハルカを。

ハルカの頬を平手打ちしたんだ。

ムカついた。

苛立った。



どうしようもなかった。



口より先に手が出ていた。




「マジ、なんなの、あんた。意味分かんない!!どうしてそんなに自分勝手なの!?嫌われるよ!!??………あぁ…。」




その時、あたしの口角がニヤリと上がった。

面白いことを思いついたんだ。


このむしゃくしゃしたどうしようもない気持ち。


それを晴らす方法を。


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