深紅の復讐~イジメの悪夢~
———ドカッ!!
ハルカが床に転がる。
あたしの脚はスローモーションのように弧を描いて床に戻る。
あたしはハルカを蹴った。
強く、強く。
心に気持ちの良い風が吹く。
スカッとする。
あたしの顔に自然と笑みが浮かんだ。
無様に倒れるハルカ。
トロいから、なかなか起き上がらない。
クラス中の視線があたしに注がれる。
その視線に、非難の色はなかった。
好奇心、当惑、悦楽、恐怖。
誰もあたしのことを責めない。
やっぱりみんな、ハルカのことが嫌いだったんだ。
あたしは深い満足感に浸った。
みんな、この状況を心のどこかで楽しんでいる。
………ううん。
ただ一人を除いて。